マセレーター導入施設インタビューvol.2「伊奈病院」


変化する医療環境に、テクノロジーと創意工夫で応える伊奈病院。
マセレーターとベッドパンウォッシャーのハイブリッド導入により、看護師の業務負担軽減と感染制御の強化を同時に実現。
この画期的なアプローチが、高齢化社会における医療の質向上と効率化の両立という課題に、新たな解決策を示しています。
今回は、その取り組みをレポートします。
感染制御と業務効率化の両立を目指して
―医療現場における感染制御と業務効率化は常に重要な課題です。
同院は日本環境感染学会が主催するランチョンセミナーでマセレーターに出会い、旧病院での課題解決の可能性を見出しました。
篠崎看護師:旧病院では、全て浸漬消毒でした。
大きな樽に消毒液を作って、そこに漬けるんですが、浮いてしまうこともありしっかり消毒できているのか、何よりも看護助手さんに労力がかかる部分を何とかしたいと思っていたんです。
―さらに、新病院の設計段階で汚物室の配置に課題があったことも、マセレーター導入を後押しする要因になったといいます。
篠崎看護師:新病院のフロア計画で、汚物室が1フロアに1個しか作れない状況でした。
マセレーターを導入すればスペースの問題を解消し、全部署に設置できるのではないかと考えたんです。
―このように、感染制御の向上、業務効率化、そして新病院の設計上の制約という複数の要因が重なり、マセレーター導入の検討が始まりました。

多角的視点から見えてきた導入の課題
―マセレーター導入の検討が始まると、いくつかの課題が浮上しました。
最も大きな懸念は、ディスポーザブル製品の導入に伴うコスト増加。
また、新病院の建設スケジュールとの兼ね合いも課題となっていたそうです。
篠崎看護師:尿器や紙製の容器にかかる費用が増えるのではないかという懸念がありました。
総務さんや事務長の理解が得られるか心配だったんです。
―さらに、看護部長の須崎さんは別の視点からの課題を指摘します。
須崎看護部長:陰部洗浄ボトルだけは使い捨て容器にできなかったので、ベッドパンウォッシャーも導入する必要がありました。
こちらはもともと導入予定だったのですが、マセレーターも導入したかったので、スペースが課題でした。
―これらの課題に対し、同院は綿密な計画を立て、一つずつ解決していきました。
意見の統一と綿密な計画で実現したスムーズな導入
―マセレーター導入にあたっては、現場の声を大切にされたそうです。
須崎看護部長:実際に使う人たちの使い勝手や使用感も重要でした。
そこで、マツヨシさんにお願いして、旧病院にマセレーターを設置していただき、1か月ほど試運転をしたんです。
スタッフからは「音は思ったより静か」「これなら使えそう」といった前向きな反応が得られました。
―新築移転という好機に恵まれたこともあり、調整もスムーズに進みました。
須崎看護部長:ベッドパンウォッシャーとマセレーターを同時に導入するのは、民間病院では至難の技です。
新築移転だったので、無駄な予算がないかを徹底的に確認し、調整を図りました。
移転という条件下で、大きい予算だからこそ実現できたと思っています。
―こうした戦略的なアプローチと、スタッフの意見を尊重し、看護部全体で導入に対する意識統一を図る姿勢が、スムーズな導入につながったと考えられます。

円滑な運用体制への取り組み
―移転後、伊奈病院では円滑な運用に向けて様々な取り組みを行いました。
篠崎看護師:マツヨシさんのサポートが非常に手厚く、ポスター作成や点検時のアドバイスなど、きめ細やかな対応をしていただきました。
清掃方法のチラシも作成してくれて、トラブル防止に役立っています。
―さらに、病院全体でディスポ化への取り組みも進められました。
篠崎看護師:新築移転を機に、浸漬消毒をなくすことを目標にして、ガーグルベースンや尿量測定用コップなどをディスポ製品に変更しました。
―マツヨシのサポート体制もあり、伊奈病院では新しいシステムがスムーズに定着し、効果的な運用が実現できています。
- マセレーター導入後、看護助手の間接業務は劇的に減少。業務の効率化に成功し、結果、質の高い看護ケアが可能になった。
また業務負荷の軽減により看護助手の腰の負担もなくなったという。 - マセレーターと共に使用するシングルユース容器の収納棚。
- 右:須崎看護部長「マセレーターや様々な要因によって院内感染のリスク低減につながっている。また使い捨て製品の導入により、交差感染のリスクが低減されたと感じている。」
左:篠崎看護師「以前は時間に追われて十分な説明ができないこともあったが、マセレーターの導入後、ゆっくり患者さんの話を聞けるようになった。」

スタッフの声から見える業務改革の成果
―マセレーター導入後、看護助手の間接業務は劇的に減少しました。
篠崎看護師:1つの部署で聞いたところ、40分の時間削減ができたそうです。それを4病棟で計算すると、かなりの時間が削減できたことになります。
洗浄液を作ったり、排水したりする際の腰への負担もなくなり、本当に楽になったという意見がありました。
―加えて、看護師の業務にも大きな変化があったといいます。
篠崎看護師:夜勤帯に排尿の介助をした時など、マセレーターに入れて蓋をするだけで済むので、処理にかかる時間が大きく削減できて他の看護業務に充てられる時間ができました。
―マセレーターは業務効率化だけでなく、働きやすい環境づくりにも貢献しているといえるでしょう。
マセレーターが叶えた理想の看護
―業務の効率化により、以前よりも質の高い看護ケアが可能になったといいます。
篠崎看護師:以前は時間に追われて十分な説明ができないこともありましたが、今はゆっくり患者さんの話を聞けるようになりました。
―また、感染制御の面でも進展が見られました。
須崎看護部長:マセレーターの効果だけとは言い切れない部分もあります。
たとえば、コロナ禍を経験して、私たちが感染制御に長けてきたこと、マセレーターや、その他の環境整備によるものなど様々な要因によって院内感染のリスク低減につながっています。
また、使い捨て製品の導入により、交差感染のリスクが低減されたとも感じています。
―効率化と感染制御の両立が、患者とスタッフの双方にとってより安全な環境を生み出しています。
未来志向の環境が招く優秀な人材
―マセレーター導入の効果は、新規スタッフの採用活動にも波及しています。
篠崎看護師:リクルートページや院内の入職説明会の資料に、最新設備としてマセレーターを載せています。
説明すると、みなさんびっくりされますね。
―特に、経験のある看護師や看護補助者の採用において、マセレーターの存在が大きなアピールポイントになっているようです。
篠崎看護師:新卒さんよりも中途さんの方が反応がいいですね。
これまで苦労してきただけにマセレーターの良さを分かっていただけているのかなと思います。
―このように、最新の設備と働きやすい環境を提供することが、質の高い医療スタッフの確保につながっています。
伊奈病院では、マセレーターとベッドパンウォッシャーのハイブリッド使用という画期的なアプローチで、感染制御と業務効率化の両立を実現しました。
今後も、長期的な効果検証と更なる改善を重ねることで、より質の高い医療サービスの提供を行っていかれることが想像できます。

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